鳴る会社はここまで進んでいる-スマホサイトのユーザビリティ改善で売上アップ
スマートフォンサイト反響奉行 6,062 views
1.ネットへの入り口はスマホへ移行してる!?
ある調査によると、スマートフォンからのインターネット利用者数の推移で2013年から2014年の1年間で1,000万人以上も増加し4,000万人を突破したそうです。
最近のスマートフォンユーザーの急激な増加で、エンドユーザーも日常の空いた時間で物件を探すシーンも増えてきたのではないでしょうか。
「Yさん、ちょっとこの画面を見てもらえますか?」
その日、未来不動産SはクライアントであるH社の本社ビル5Fを訪れていた。
「また今日は何をもってきてくれたんですか?(笑)」
「今日もいい提案もってきましたよ(笑)」
「いつもSさんの提案やアイデアには本当に感心させられます。社内でも未来不動産のSさんっていったら有名人ですよ」
「いやあ、とんでもないです」Sはそう言っておどけてみせた。
「今日はYさんにちょっとお見せしたいものがあるんです」そう言ってSは鞄から最新のiPhone6を取り出し担当Yに画面を見せた。
「それはスマホサイトですか?ずいぶん見やすいですね」
「これは弊社のあるクライアントのスマホサイトなんですが、例えば物件検索の際に路線から物件を探す場合はこうやって路線を選択します。そうするとその路線の各駅がこのようにリストになって表示されます」
「ほう、凄い」
「ここで注目してほしいのですが、この路線全体で該当する物件数やそれぞれの駅ごとに該当する物件数もこのように表示されるんです」
「これは便利ですね。エンドユーザーとしてはどの駅周辺にどれくらい物件があるのか一目で分かりますね」担当Yは思わず身を乗り出した。
「こういったユーザー目線の検索フローを導入している不動産会社は実は大手くらいなので、このクライアントはライバル会社に対してユーザビリティ(使いやすさ、操作性)の面で大きなアドバンテージをもてるわけです」
「なるほど、これだとエンドユーザーにとっては使いやすく気持ちがいいですね」担当Yは感心した表情を見せた。
「路線だけじゃなくエリアでも同様のことができます。このように渋谷区なら875件、世田谷区なら772件といったように該当する物件数が表示されます。それ以外にも新築一戸建てなのか、中古マンションなのかといった種別から選択できますし、未公開物件や駅徒歩10分以内の物件などテーマごとの特集ページも用意してあらゆるニーズに対応させています」
「物件を種別から探す人もいれば路線で探す人、テーマを絞って探す人もいるでしょうし、それだけ入口が多いってことですね」
「その通りです」Sは誇らしげに答えた。
「Sさん、ちなみにメニューボタンが上から「種類を選ぶ」「エリア・路線から探す」「特集一覧」となってますよね。私ならエリアから探したいと思いますがどうですか?」
「Yさん、そこなんです」
2.ユーザーの行動に基づいた適切なユーザビリティ改善施策
「これもユーザーの行動を裏側から分析し改善した結果なんです」
「裏側から分析・・ですか!?」
「ちょっとこれを見てください」そう言うとSは持参したノートパソコンを広げてみせた。
「んっ、これは!?」
「これはサイトに訪問したユーザーの行動を一定期間検証したデータです」
・新築一戸建て住所 250
・新築一戸建て駅 150
・中古戸建て住所 230
・中古戸建て駅 150
・土地住所 150
・土地駅 90
・中古マンション住所 40
・中古マンション駅 110
・住所検索 120
・路線検索 60
・特集 240
・新着 60
・スタッフ紹介 40
「メニューボタンの中でクリックされた数が多い順に並べると「新築一戸建て」の種別から「住所」で検索したパターンが250回で一番多いという結果になりました」
「これは凄い!どこがクリックされたかまで分かるんですか!?」担当Yは驚いた表情を見せた。
「はい、今はここまで進んでるんです。ちなみにメニューボタン全体の中で「新築一戸建て」のクリック率は20%を占めています。一方でYさんが先ほど指摘されたエリア(住所)検索は120回でクリック率はたった5%です。元々はメニューボタンの順番は現在と違っていましたが、こういった結果を踏まえ「新築一戸建て」を上位に配置したんです」
「そういうことだったんですね。未来不動産、やりますね」担当Yは軽く微笑んだ。
「でもユーザビリティを向上させることは当然で、目的は会員登録(コンバージョン)率を上げることなんです。次にちょっとこちらの画面を見てもらえますか?」
そう言ってSは次の画面を見せた。
・訪問者 2640
・訪問のみ 690
・閲覧のみ 1060
・入力開始未送信 240
・未入力送信 180
・必須入力済送信 470
「これは会員登録画面のユーザーの行動データです」
「おおっ」担当Yは再び驚いた。
「訪問したユーザー2640人のうち訪問後すぐに離脱したユーザーが690人で、ページ下部へスクロールし閲覧したユーザーが1060人です」
「スクロールしたかどうかも分かるんですか?」
「分かります。さらに会員登録の際に名前やメールアドレスといった入力項目があるんですが、入力する際にクリックしてフォームにカーソルを乗せますよね?入力開始未送信というのは、途中まで入力はしたが最後まで進まず送信しなかったケースです。このデータですと訪問者の約10人に1人が途中で入力を止めてることが分かります」
「つまりどこをクリックしたかも分かるということですか?」
「そうです」
「ユーザーの行動が丸見えなんですね」
「こうしたユーザーの行動を裏側から分析し、入力フォームを最適化(EFO)していくことで、会員登録(コンバージョン)率を上げていくことができるんです」
PLANでログ解析から問題を突き止めて改善策を検討
DOで訪問者が改善策に基づいて入力フォームテスト運用(A/Bテスト)
CHECKで問題点が解決されているかを経過観察
ACTIONで改善運用させ会員登録率が向上し離脱率の低下を確認
「いやぁ正直驚きました。鳴る会社はこんなに進んでるんですね。うちの会社もすぐにスマホ対策しなきゃ(笑)」
「今は大手不動産会社はもちろん、各社が試行錯誤して良い商品を開発してるので、弊社もなんとか追いつけ追い越せで努力してます。努力の甲斐あってか、このクライアントの先月の会員登録数は300を超えたんです」
未来不動産研究所はスマートフォンでも重要となるユーザビリティの改善やEFOのPDCAサイクルによるコンバージョンアップなど、不動産マーケティングにおいて長年に亘り培ったノウハウを基礎にして、 常に「より良い商品づくり」を目指しています。
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