リスティング広告を制する者は反響を制する-ロングテール戦略

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1.ロングテールとは

「ロングテール」という言葉は何となく知っている方も多いと思うのですが、ここで少し詳しく説明します。

 

もともと「ロングテール」という言葉は、米国『Wired』誌の記事で、同紙編集長である「クリス・アンダーソン」が、オンライン書店の「Amazon」のビジネスモデルを説明するために提唱されたものです。

 

いわゆる売れ筋にあたるベストセラー商品とほとんど売れないようなマイナー商品とを軸に並べたとき、ベストセラー商品を「ヘッド」、マイナー商品を「テール」と言います。

 

全体の売り上げを「販売数×商品数」としてグラフ化し、販売成績の良いものを左側から順に並べるとほとんど売れない商品が右側になだらかに長く伸びるグラフになります。

 

このグラフが恐竜の尻尾(tail)のような形状から、「ロングテール」と呼ばれるようになりました。

リスティング広告を制する者は反響を制する-ロングテール戦略

マーケティングの世界では、実店舗での販売の場合は「2割の顧客から8割の売上を上げる」というような、いわゆる「2:8の法則」が有名です。

 

しかしネット店舗での販売の場合は、年間でもほとんど売れないいわゆる「お荷物商品」が、トータルの売上高では売れ筋商品より高くなることがあります。

 

・従来の実店舗:「2:8の法則」

・ネット店舗:「ロングテールの法則」

 

 

なぜそういった現象が起こるのでしょうか。

 

これは実店舗の場合は、売り場面積も限られるので「売れ筋商品」のみに集中販売して、売れ行きの悪いものはカットしていきますが、

ネット店舗での販売の場合は、売り場面積も無制限なので、品揃えのコストがほとんどかかりません。ネット店舗は実店舗では実現不可能な、販売機会の取り込みを可能にできるからです。

 

その結果、トータルの売上高はよく売れる「売れ筋商品」よりも、ほとんど売れない「お荷物商品」のほうが高くなります。

 

まさに「チリも積もれば山となる」ですね。

 

2.ロングテール戦略を活かした集客

このロングテール理論は、単に商品の販売モデルを表すだけでなく「ネット上の人々の行動」を表す理論でもあります。

 

例えば、神奈川県で将来住宅を購入したい又は具体的に検討しているユーザーがいるとします。

ユーザーは多種多様なキーワードで検索をかけて情報を収集しますが、そうした行動も「ロングテール」を表しているのです。

 

ここでリスティング広告における「キーワードの種類」についても説明しますが、キーワードは大きく分けて以下の3種類に分類されます。

 

「ビッグワード」

「スモールワード」

「ミドルワード」

 

それぞれの一般的な特徴をまとめると以下のようになります。

 

ビッグワードは検索数が多くクリック単価が高いが、目的意識が弱くコンバージョン率が低い

スモールワードは検索数が少なくクリック単価が低いが、目的意識が強くコンバージョン率が高い

ミドルワードはその中間

 

 

先ほどの神奈川県で将来住宅を購入したい又は具体的に検討しているユーザーの場合は、

 

ビッグワード:「神奈川県 不動産」

スモールワード:「中原区宮内 新築 一戸建て」

ミドルワード:「神奈川県 横浜市 一戸建て」

 

といったようになります。

 

 

何となく探している段階では「ビッグワード」

購入が具体化している段階では「スモールワード」

比較検討段階では「ミドルワード」

 

 

 

キーワードをロングテール理論の考え方で当てはめてみると、

検索数の多いビッグワードはヘッド部分、検索の少ないミドル・スモールワードは「ロングテール部分」になります。

 

以前に弊社クライアントのホームページが「横浜 不動産」のキーワードで検索1位をとったことがあります。

 

月間10万セッションあるWEBサイトで「横浜 不動産」で流入する人がどれくらいいると思いますか?

 

答えはたった月間500セッションです。

 

そうです。残りの9万9500セッションはミドルワードとスモールワードなのです。

 

ビッグワードよりミドル・スモールワードの対策がいかに大事だということがわかりますね。

 

一般的なリスティング広告会社は、このロングテール戦略が上手くできておらず、思いつく限りの複合キーワードを大量に入稿します。

 

この場合もちろん反響は取れるのですが、無駄になるクリックも多く余計な広告費をかけてしまうことになり、1反響あたり20,000円~30,000円かかっているケースも珍しくありません。

 

リスティング広告で重要なことは、検索数の多いビッグワードでユーザーとの接触機会を確保しつつ、ミドル・スモールワードでコンバージョン1件あたりの獲得コスト(CPA)をできる限り抑えることです。

 

未来不動産研究所では、適正なキーワードを選定し、エリアや時期によるホットワードを日々システムと人力で管理、結果的に他社よりも安価に反響を獲得することを可能にしています。

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