追客電話はいつするの?「イマデショ」の見極めで到達率アップ! -「Web閲覧」活用で、戦略アポ獲得-

超納言    10,310 views

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1.会員登録は連絡がとれない!

「新しいシステムで反響が増えたから営業のしがいがあるだろう?」

 

月例の飲み会。Webの反響が一気に倍増してご機嫌なO課長は、営業メンバーにこう声をかけた。

 

「それが…。会員登録のお客さんだとなかなか連絡がつかなくて…」

 

酒のせいだろう。U君がふとこんな愚痴をつぶやいた。

 

「それを何とかするのがお前ら営業だろう」

 

O課長はひとまず励ましつつもここ最近の状況を振り返る。

 

確かに新システムを導入してWeb経由の会員登録は増えた。しかし、営業メンバーに聞くと「会員登録客は連絡がとりづらい」という。

 

理由としては、会員登録客は今すぐ見たい物件があるわけではなく、連絡のタイミングが難しい。むやみに連絡すると怒られてしまうこともある。結果、物件問い合わせ反響ばかりを狙って、会員登録客にはただただマッチングメールを送り続けるだけだという。

 

以前と比べると集客は相当な勢いで増え、営業メンバーには“数”を渡せている。それなのに、このままでは元も子もない。

 

そもそも会員登録客は物件問い合わせをするよりも前のお客様が多い。

どこよりも早く接触することができるため営業上こんな有利なことはない。会員登録客を攻略できている会社とできていない会社が二分されている今、攻略できれば他社より圧倒的優位に立てるのだ。

 

また、suumoなどの複数社合同のサイトではなく、あくまでも自社サイトによる集客。つまり、競合が相対的に少ない。

 

せっかくの会員登録をもっとモノにしていかないと明日は拓けない。

 

O課長は翌日の朝一番に、サイトとシステム構築を依頼した未来不動産の担当Sに電話をかけた。

 

「もしもし、Sさん? ちょっと相談したいのですが」

 

「どうされましたか?」

 

実は、と前置きしてO課長は会員登録客が増えてありがたいが、その一方でなかなか連絡がとれないという実情を打ち明けた。

 

「何かいい方策はないですかね?」

 

「失礼ですが、会員機能を有効活用されてますでしょうか?」

 

そういえば、そんな機能を契約前に聞いたことがある。会員登録をしたお客さんがいつ、どの物件を閲覧したかわかる機能だった。でも正直、自分も含め、営業メンバーは使いこなせていない。

 

「O課長、明日はお時間とれますか?弊社の分析データをお持ちしてお伺いさせていただきます」

 

2.Web閲覧?会員の閲覧動向が一目でわかる!?

翌日、未来不動産の担当Sが来社した。

 

「弊社のサンプリングデータをご覧になっていただけますか」と担当S。

 

提案書を開くと表がある。

 

「会員登録したお客さんの閲覧データを見られるWeb閲覧履歴機能をサンプリングした表です。縦軸がWeb閲覧数、横軸が時間となっています」

 

グラフ

サンプリングした4社のWeb閲覧数の時間別動向。

マッチングメールを打つタイミングなどで会社ごとに特色があるが、概ね、お昼や21?22時台は閲覧数が多い。

 

未来不動産のSは続けた。

 

「こちらを見ていただければわかるように、会員登録したお客さんは結構な頻度でサイトやメールから物件を閲覧しておられます」

 

「ほう、なるほど」

 

O課長は、こんなにも会員客が物件を見ているのかと、目を疑った。でも、こんなに閲覧しているにもかかわらず、なぜ電話しても出てくれないしメールの返信もくれないのか疑問に思った。それをSに伝える。

 

「表を見ていただきたいんですが、各社によって微妙に違いますが、概ねお昼や21?22時台に閲覧数が多いことがおわかりかと思います」

 

「確かにそうですね。で?」

 

「この表は全体数ですが、Web閲覧履歴を確認することでそれぞれの会員客様が何時ごろに閲覧しているのか把握することができるのです。ちょっとやってみましょうか?」

 

未来不動産Sは、O課長のパソコンでWebシステムの管理ページを開き、会員登録したお客さんの閲覧履歴を開いてみせた。すると、会員客リスト上には物件閲覧回数が表示。さらに、閲覧回数が多い人の情報を開き、「紹介履歴」をクリックしてみせた。

 

未来不動産Sは続けた。

 

「ご覧ください。会員登録のお客様がいつどんな物件を見たかわかるんです。しかもリアルタイムです」

 

O課長は思わず「おお!」と声が出た。こんな機能があったのか。そしてひらめいた。

 

「なるほど! わかりましたよ。会員のお客さんがWebで物件を見ている時間なら電話もつながりやすいし、何よりも物件のことをまさしく考えているゴールデンタイムだから話が進みやすい、ということですね?」

 

未来不動産のSは弾むような声で返した。

 

「おっしゃる通りだと我々は分析しています。実際、我々のシステムを導入いただいている他の不動産会社さんからもそういうお声をいただいています」

 

確かに、とO課長は思った。表を見ると16?19時は閲覧数が概ね少ない。スタッフが営業電話するのは、まさにこの時間帯が多い。そりゃつながらないだろう。

 

3.「電話がつながらない理由」が判明した!

わかった! ありがとう、Sさん、早速閲覧機能を使って追客してみますよ」

 

O課長は翌日から営業メンバーに指示して、Web閲覧機能でお客さんがどの時間帯にどんな物件を見ているのか確認した上で連絡させた。

 

すると、翌日には「課長、お客さんが物件を見ている時間にメールをお送りしたら返信いただけました」

 

との報告が上がってきた。推測するに、お客さんがPCの前にいる時間にメールを送ればメール一覧の最上部に表示される。だからメール自体が目立って、見てくれた上で返信をくれたのではないか。しかも、そのお客さんとはその後LINEで連絡をとりあい、密な信頼関係を築いているという。

 

4日後には

 

「課長! 会員客の方が物件を調べている時間が8時半過ぎだったんですが、思い切って電話をしてみたんです。そしたら電話が通じた上に思いの他物件探しで盛り上がり、案内のアポとれました。将来のプランやライフスタイルまでお聞きすることができたので、刺さる物件がわかりました」

 

との報告もあった。なんでもっと早く気づかなかったんだろう。

 

4.Web閲覧導入で案内件数が1.5倍に

Web閲覧機能を活用してアポをとった件は、またたく間に社内に広がった。

 

営業メンバー達はマッチングメールを送っては、Web閲覧状況をチェックしている。

 

結論から言うと、1ヶ月間でアポ件数は1.5倍に増えた。会員客からの成約見込みもぼちぼち出てきた。

 

会社として業績が上がるのは単純に喜ばしいこと。成果を上げるために社長が考え抜いて導入を決めたシステムだからなおさらだ。

 

そんな社長からは、朝礼で、「会員登録客攻略を突き詰めていくことで、物件案内中心の御用聞き営業から脱却し、積極的な提案型コンサルティング営業を身につけていこう。全社を挙げてこれを目指していく」という方向性が示された。これから先は旧態依然では先細りする。新しいことにチャレンジしなければ競合に勝てない時代なのだ。

 

加えてO課長は思う。業績アップはもちろんだが、何よりも、営業メンバーをはじめ営業全体のモチベーションが全体的に高まった。これが、管理職として素直に嬉しい。営業チーム全体が「会員客は難しい」と思っていたのが、今ではむしろ「頭とシステムを使えば会員客でもがんがんアポをとれる!」のが共通認識になった。

 

もうひとつ、自社ではなく未来不動産による集客なので、計算して反響数を上乗せできる。そのため、スタッフへ反響を安定して振り分けられるのもメンバーから好評だ。みんな会員登録客をどんな風に攻略するか競うように知恵を絞っている。まるでゲームを楽しむように。

 

「おいおい、お前ら、Webばかり見てないでちょっとは物件撮影に行ってこいよ!」

 

O課長はメンバーにそう声をかけて、ひとりほくそ笑んだ。この先の数字が楽しみでならない。

 

WEB閲覧機能営業管理アプリシステム超納言追客電話

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