数字は語る?賃貸サイト分析事例?
不動産業界 8,024 views
我々は、首都圏で大量に不動産サイトを制作・保守・改善し続けているので
・どうしてこのサイトはこんなに成果が出るんだろう?
・逆に、どうしてこんなに成果が出ないんだろう?
というようにサイト毎の成果の違いが確認されます。
我々も日々努力改善を続けていますし、成果の出ないサイトにはこれでもかとリソースを集中投下しますが、絶対に「全てのサイトがうまくいってウハウハだ!」ということはありません。
うまくいくサイトもあれば、うまくいかないサイトもあります。 一方
・先月まではあんなによかったのに、なんでこんなに落ちてしまったんだろう?
・どうして、このサイトは一貫して、好調なのだろう?
というように、時系列で見たときに、成果の変化が生じることもあります。
しかしこのようなときも、幸いにも「全てのサイトが完全に落ち込んでしまった!」ということも起こったこともありません。
この事実は、我々にとって大きな武器となります。
すなわち、サイト間の差異、時系列の変化を比較分析することで今、見込み客ユーザーは何を考え、何を求めて、ネットを活用しているのか?
あるいは今、google等の検索サイトは、何を評価し、何を評価しないのか?を分析することができます。
最近の分析事例を、一例ご紹介します。
さいたま市を取り扱う賃貸サイトの分析事例
埼玉県の賃貸サイトの例なのですが、どうしても成果が出ないというサイトがありました。
仮にAとします。この原因を探る分析を行いました。
他の多くの制作会社さんのサイトで、十分語りつくされているように不動産サイトの反響獲得において、物件名や住所などのスモールワードでの集客は非常に重要です。
我々のサイトも例外ではなく、スモールワード集客を強みとしていますがスモールワード集客の強みを支える要因の1つは物件数です。
物件数が多ければ、必然的に様々な物件情報がサイトに蓄積され、多様なスモールワードでひっかかりやすくなるります。
極端な話、東京23区の賃貸物件を取り扱えば、それほど努力せずとも、中小の不動産仲介会社さんなら十分な集客を得られてしまいます。(案内ができるかどうかは別として)
しかし多くの場合、クライアントさまは、責任をもって紹介できる範囲として、取り扱いエリアを限定されるので、むやみに「エリアを拡大して、物件数を増やしてほしい」とお願いするわけにもいきません。
そこで、我々は物件数に依存しない、サイトそのものの強みを評価するために、物件あたり集客数(集客数/物件数)を、重要な評価指標の1つと考えています。
物件あたり集客数が多いサイトほど、少ない物件で効率よく集客できているといえます。
実はAサイトは、同じくさいたま市を取り扱う代表サイト(仮にB、Cサイトとします)に比べて、この物件あたり集客数が低い傾向がありました。
では、物件あたり集客数はどのように変動すると考えられるでしょうか?
物件あたり集客数が低くなる要因としては、仮説としては
1) 基本的なSEOができていない(タイトル、画像ALT、適切なHTMLタグ指定など)
2) そもそも人気のないエリア・価格帯の物件ばかり掲載している
3) 物件情報が充実していないため、上位表示されない
が考えられます。
1)については、弊社サイトであればほぼ確立しているので考えにくいです。
したがって、弊社制作サイト間で、物件あたり集客数に差異が生じるのは、2)か3)であると考えられます。
そこでこの2)、3)の観点を確認するべく、ABCの3サイトを比較してみました。
検索された物件の比較
ABCサイトで、一般ユーザーに検索され、物件を見られた回数は大宮区・北区・浦和区・中央区などで回数が多くなりました。
サイト間の比較でいうと、
・ 大宮区では、Cサイト が強い
・ 北区では、Aサイト、Cサイト が拮抗している
・ 浦和区では、Aサイトが強い
という傾向がみてとれました。
ちなみにBサイトは、物件数は3サイト中最多なのですが、上記の通り十分な集客には至っていないようでした。
Bサイトのこの問題の解決は別途すすめるとして、ここでは、Aサイト、Cサイトでこのような集客上の差異が生じたのはなぜか、引き続き検証してみます。
登録物件数と画像登録数の比較
右表は、AサイトCサイトの物件を、エリア別・画像枚数別に分類し、その数を集計したものです。
ちょっと見方の例として、表の上の方から解読してみると
・さいたま市浦和区では、画像登録数ゼロの物件しかなく、ACそれぞれ、774件、75件の物件がある。
・さいたま市岩槻区では、画像登録数ゼロの物件は、Aサイトにのみ82件あり
・さいたま市岩槻区で画像が10枚登録された物件が、Aサイトで1件あった。すなわち、Cサイトは岩槻区を取り扱っていない。
という風に読みます。この集計から、上述のサイト間比較の結果を説明できます。
大宮区では、Cサイト が強い
→なぜなら、Cサイトは画像を複数枚登録している物件が多数ある。
北区では、Aサイト、Cサイト が拮抗している
→なぜなら、両サイトともに画像登録をがんばっているから。
浦和区では、Aサイトが強い
→なぜなら、Aサイトの方が物件が多いから
というわけです。そこでAサイトさんには
「Cサイトが多く集客できている、大宮区の物件情報を充実させてみては?」
といったアドバイスが可能となりました。
※しかしAサイトさんの事情により、大宮区を積極集客するわけにはいかず、十分な成果改善にはいたりませんでした。
画像登録数は、物件情報の充実度の1指標にすぎません。
運営されるクライアントさまによって、コメントを充実いただいたり、地域情報を充実いただいたり様々な情報充実のためのアプローチがありえます。
このように複数の不動産サイトを運営することで、分析の幅は非常に広がります。
以上、サイト間比較による成果分析事例をご紹介しました。
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